遠くを見ない。
歌舞伎役者の坂東玉三郎さんがおっしゃってたこと。
彼は、日本を代表する女形の名役者さん。
舞台中は特に自分の体調管理に気をつけて、
公演後は極力声を出さないように、電話もしないし、専属のマッサージ師に
体をほぐしてもらって早めに就寝する。
もちろん夜に街へ出かけていったりとかはない。
それをもう50年近く、当たり前のように続けてきた、と。
インタビュアーに、なぜそれを50年も続けてこれたのか、と問われて彼が答えた言葉。
「遠くを見ないこと。明日だけを見る。
そうやって毎日過ごしてきたら、いつのまにか50年経っていただけ。」
先のことを考えすぎて悩むよりも、目の前のことを見据えて行動すれば
いつか後ろを振り返ったときに、自分の道ができている。
明日の公演をしっかりお客様に恥じないようにやろう、と思えば、
自分の体に無茶をさせてはいけない。万全の状態で臨まなければいけない。
だから、きっちりトレーニングをして、体調管理をして、無理をせず、
明日を見据えて、今日を生きる。
そういうことらしいです。
本当に自分にストイックに生きてきた人の言葉だからこそ、響くものがあったんだと思う。
私を含め、人って、将来のことを考えすぎて、不安になって、
すぐに自分が楽をしたいだけの結論を出してしまう感がある。
今そんなに先のことを考えたってしょうがない、ってこと。
あれこれ考えて、勝手に不安になって、だから今すぐどうこうできないのに、
気持ちばっかり落ち込んで。
玉三郎さんの言葉は、私に
「先のことばかり考えて不安にならずに、まずは目の前の明日を一生懸命生きなさい。
そうすればいつか振り返ったときに、自分の道は開けているはず」
ということを教えてくれた気がします。
だから今姉ちゃんが、予定日が間近に迫ってるのになかなか産まれてくる気配がなくて
不安がってるから、「まずは明日また1日頑張ってみたらいいんだよ」って励ましてます(笑)
なんとかなるもんですよ、人生は。